授業料の安さや学習環境の良さから注目を集めているフィリピン留学ですが、そもそも外国人が他の国で滞在するにはビザ(査証)というものが必要です。
日本人の場合、フィリピンの入国時点では観光扱いでも問題ありませんが、学習目的や滞在期間によっては追加の許可や延長申請が必要です。
フィリピンのビザを理解していないまま滞在を続けてしまうと、知らないうちに滞在期限を過ぎてオーバーステイになるリスクもあります。
このページでは、フィリピン留学 ビザの種類や申請方法、延長手続き、必要な書類や費用について詳しく解説しています。
失敗のないフィリピン留学を実現するために、正しいビザ情報を把握しておきましょう。
日本人がフィリピンに入国する際に必要なビザ
日本人がフィリピンに入国する際、商用や観光目的であれば最大30日間までビザは不要です。
ただし、フィリピン入国時に有効な往復航空券またはフィリピン以外の国への航空券と、滞在日数に加えて6か月以上の有効期間があるパスポートが必要となることを覚えておいてください。
また、入国72時間前から手続き可能となるe-Travelへの事前申請が必要です。
30日を超えて滞在する場合は、現地のイミグレーションオフィスにて観光ビザ(9A)に延長可能で、手続きを繰り返せば最長3年までの滞在が可能。
その他、フィリピン留学だと短期語学留学に特別就学許可SSP(Special Stuudy Permit)や大学等の高等教育機関で正規課程に参加する場合は学生ビザ(9F)が必要となります。
無査証で入国できる条件について
日本人がフィリピンに無査証で入国できるのは、観光や短期商用などを目的とした一時的な滞在に限られ、いくつかの条件を満たす必要があります。
無査証でフィリピンへ入国するための条件として、まず日本国籍を持っていること、先述したように滞在期間が最大30日以内であることが前提となります。
また、入国時にはフィリピンから出国するための復路航空券、または第三国への航空券(フィリピンからの出国)が必須となり、さらに滞在日数に加えて6か月以上の残存有効期間を持つパスポートが求められます。
これらの条件は、フィリピンでの短期滞在を安全かつ確実に管理するための基準であり、就労や長期留学などビザが必要な活動は対象外です。
もし30日を超えてフィリピンに滞在する場合は、入国後に観光ビザ(9A)へ延長申請しなければなりません。
フィリピンのビザ制度を理解し、渡航目的と滞在期間を事前に整理しておくことが、スムーズな入国とトラブル防止につながります。
語学留学を目的とする入国に必要なビザ
語学留学を目的としてフィリピンに入国する場合、学習活動を行うためのビザ手続きが必要になります。
フィリピンで語学学校に通い、英語を学ぶ場合、たとえ無査証で入国したとしても特別就学許可であるSpecial Study Permit、SSPの取得が必要です。
SSPはフィリピンの語学学校に通う外国人のための制度で、ビザとは異なる独立した許可であり、フィリピン国内でのみ発行されます。
その後、60日を超えて滞在する場合は、観光ビザ9Aの延長と外国人登録証であるACR I-Card(Alien Certificate of Registration Identity Card、外国人登録証の略です)の取得も必要になります。
フィリピンに語学留学する場合、ビザの種類や滞在期間によって必要な手続きが変わるため、事前に留学エージェントを通じて最新情報を確認しておきましょう。
ただし、多くの語学学校がSSP申請を代行しているため、複雑な手続きを自分で行う必要はありません。
とはいえ、フィリピンのビザ制度を正しく理解しておけば、滞在中のトラブルを避け、安心して学習に集中することができます。
語学留学に求められるビザとその種類
フィリピンへの語学留学では、滞在目的に応じて取得すべきビザが大きく変わり、制度を正しく理解することが安心した留学準備につながります。
ここでは、語学学校で学ぶ場合や高等教育機関で勉強する場合、さらに特定条件で活用できる制度まで、留学生が知っておきたいポイントを3つ紹介します。
特別就学許可SSP(Special Study Permit)とは
特別就学許可(Special Study Permit)、SSPはフィリピンで語学留学をする際に最も重要となる制度で、大学などの高等教育機関ではなく、語学学校に通う外国人がフィリピン国内で合法的に学習するために必要な許可です。
これはビザとは異なる独立した制度であり、観光目的でフィリピンに入国した場合でも、語学学校で授業を受けるなら必ず取得しなければなりません。
SSPはフィリピン入国後にのみ申請でき(=事前手続きはありません)、多くの語学学校が手続きを代行しているため、申請書類の準備や移民局への訪問を自分自身で行う必要はありません。
SSPの申請にはパスポートのコピー、写真、学校が用意する書類などが必要であり、発行後は「参加している学校」でのみ有効です。もし、フィリピン国内でその他の語学学校に転校する際は、再取得が必要となります。
また、SSPを取得しても長期滞在が自動的に認められるわけではなく、30日を超えて滞在する場合は観光ビザ9Aの延長手続きが別途必要であることを覚えておきましょう。
さらに、60日以上滞在する場合は外国人登録、ACR I-Cardの取得義務が発生します。
つまり、フィリピンに語学留学する場合、「SSP申請」と「ビザ延長」、滞在期間によっては「ACR I-Card」といった複数の手続きが必要です。こうしたフィリピンのビザ制度を正しく理解しておきましょう。
フィリピンの高等教育機関で勉強する場合は学生ビザ(9F)が必要
フィリピンの大学や専門学校などの高等教育機関で学位取得を目的として勉強する場合、語学学校とは異なり学生ビザである9Fの取得が必要です。
9Fビザはフィリピン政府が正式に認める留学生用のビザで、長期的に学習する学生がフィリピン国内で合法的に滞在し、授業を受けるための制度です。
9Fビザの申請には入学許可証、財政能力を示す証明書、健康診断書、無犯罪証明書など多くの書類が求められ、日本で事前に準備すべき項目も含まれます。
9Fビザが発給された後は、フィリピン到着後にACR I-Cardの取得が必須となり、長期滞在に必要な記録が管理されます。
9Fビザは、語学学校で必要なSSPとは異なり、学校ごとに再取得する必要はなく、在籍期間に合わせて維持されます。また、学費支払い状況や出席率がビザ更新に影響するため、在学中は学校の規定を守ることが重要になります。
フィリピンのビザ制度は目的ごとに厳密に区分されているため、フィリピンで大学などの高等教育機関で学ぶ場合には9Fビザの準備・申請が必要であることを覚えておきましょう。
配偶者がフィリピン国籍ならバリクバヤンプログラムが適用されます
もし、配偶者(夫や妻)がフィリピン国籍を持つ場合、通常の語学留学で必要となるビザ手続きとは異なり、「バリクバヤンプログラム」を利用できる点が大きな特徴です。
バリクバヤンプログラムとは、フィリピン国籍者と同伴で入国する外国人配偶者や子どもに対し、最長1年間の無査証滞在を認める優遇制度で、フィリピンで長期滞在しながら語学留学を計画する人にとって非常に有利に働きます。
この制度を利用すれば、通常必要となる観光ビザの延長手続きや更新費用を大幅に抑えることができます。
ただし、フィリピン入国の際にはフィリピン国籍の配偶者と同じ便で到着すること、結婚を証明する書類を提示できることが条件です。
また、バリクバヤンとして滞在していても、語学学校に通う場合は別途SSPが必要である点に注意が必要です。
しつこいようですが、SSPはビザとは異なる制度であり、「フィリピンで合法的に学習活動を行うために必須の手続き」であることを覚えておいてください。
フィリピン留学に必要なビザの申請方法
フィリピン留学に関するビザについて、ここからは必要書類の違いや学校側のサポート、長期滞在で求められる手続きまで、おさえておくべき4つのポイントを紹介します。
SSPと9Fの必要書類の違い
フィリピンで学校に通う場合、語学学校ならSSP、大学などの高等教育機関であれば9Fビザの申請が必要であることを解説しました。
SSPと9F、この2つの申請手続きに求められる書類の違いについて説明します。
まず、SSPはフィリピン入国後に申請するもので、必要な書類は比較的少ないです。
パスポートのコピーと証明写真、学校が発行する申請関連書類が中心であり、基本的に参加する語学学校が手続きを代行します。
一方、9F学生ビザを申請する場合は、入学許可証と財政能力証明、無犯罪証明書、健康診断書およびパスポート原本とコピーなどが挙げられ、審査も厳格です。
このように、フィリピン留学に必要となるSSPと9Fは、その役割や手続き、求められる書類が異なります。自分が留学する際はどちらが必要なのかをあらかじめ確認しておきましょう。
語学学校で英語レッスンを受ける場合はほとんどの学校が申請手続きを代行
このページの頭からここまで読み進めていただいた方にはお分かりいただけるのですが、フィリピンの語学学校で英語レッスンを受ける場合、語学学校がビザ関連手続きやSSP申請を代行してくれるので、正直、心配ありません。
30日(約1ヶ月)を超えて滞在する場合、観光ビザ9Aの延長が必要となり、60日以上滞在する場合はACR I-Cardの取得が義務付けられますが、これらの申請も学校側がサポートしてくれます。
文章で詳しく説明すると、フィリピンのビザ制度は複雑に見えますが、語学留学なら「語学学校にお任せ」なので安心して留学できます。
60日(約2か月)以上の参加にはACR I-Cardが必要
フィリピン留学に60日(約2か月)以上参加する場合、ACR I-Card(外国人登録証)の取得が必須です。
このACR I-Cardは、「フィリピン政府が長期滞在する外国人を適切に管理するための制度」で、語学学校での学習目的であっても例外ではありません。
ACR I-Cardはプラスチック製のICカードで、個人情報、滞在資格、ビザ種類などが記載され、フィリピン国内で身分証としても使用されます。
ACR I-Cardの申請にはパスポートのコピー、証明写真、申請書、そして観光ビザの延長手続き完了が必要となります。
このACR I-Card申請手続きも語学学校が代行してくれるため、学生自身が直接、移民局へ赴く必要はほとんどありません。
また、ACR I-Cardの有効期間は1年となっています。
もし、60日以上のフィリピン滞在でACR I-Cardを取得していない場合、追加費用が発生したり、出国時にトラブルとなる可能性があるため、長期フィリピン留学を計画している場合は早めに必要書類や手続きの流れを確認しておきましょう。
フィリピンに3か月以上滞在する場合は在留届の提出をお忘れなく
フィリピンに3か月以上滞在する場合、ビザ手続きとあわせて必ず行うべき重要な届け出が在留届です。
在留届は、海外で長期滞在する日本人が安全に生活できるよう、日本の外務省が渡航者の居住情報を把握するための制度で、フィリピン留学をする場合も例外ではありません。
提出は、外務省・たびレジ(リンクします)からオンラインで手続き可能となっており、滞在先住所、連絡先、パスポート情報などを登録します。
在留届を提出しておくことで、フィリピンで災害や治安悪化が発生した際に、在外公館からの支援や緊急連絡を受け取ることができます。
また、フィリピンのビザ延長やACR I-Card取得など複数の手続きが必要となる長期滞在では、予期せぬトラブルが発生する可能性も高く、正確な居所情報を日本側が把握していることは安心につながります。
在留届の提出はビザ取得とは直接関係ありませんが、フィリピンで安全に生活するための基本であり、留学生にとって欠かせない手続きです。
フィリピン留学を計画している場合は、渡航後速やかに在留届を提出し、安心して学習に集中できる環境を整えましょう。
入国後のビザ延長は最長1年まで、期間ごとに必要な費用が変わります
フィリピン留学でビザ延長をする場合、そのタイミングや費用の仕組みを理解しておく必要があります。特に滞在期間が長くなるほど追加で必要となる手続きも増えるため、事前の把握が重要です。
ここでは、フィリピン留学中のビザ延長期間や手続き、費用について知っておきたい2つのポイントを紹介します。
フィリピンのビザ延長期間と手続きに必要な費用について
フィリピン留学では、観光ビザ(9A)で入国した後、30日を超えて滞在する際、延長手続きが必要になります。
延長は「29日延長」「1~2か月延長」「6か月延長」など複数の選択肢があり、延長期間に応じて料金が変動します。
一般的に、滞在期間が長くなるほどフィリピンのビザ延長費用は高くなるため、留学やロングステイを計画している場合は事前に総額を把握しておくことが大切です。
また、60日以上滞在する場合、ACR I-Cardが必須となるため、この取得費用も追加で発生します。
ビザ手続き費用は、語学学校ごとに異なるため、参加期間と学校を選んだ後に、現地で支払うビザ延長およびそれに関する費用がいくら必要になるか、確認しておきましょう。
半年(約6カ月)以上の滞在後は出国時にECCが必要
もう1点、フィリピンに半年(約6カ月)以上留学する場合、出国する際にECC(Emigration Clearance Certificate、出国許可証)の取得が必要となります。
ECCは、長期滞在した外国人がフィリピンを出国する際に、滞在記録やビザの状態に問題がないことを確認するための重要な制度です。
ECCの申請には、パスポート、ACR I-Card(60日以上滞在者に必須)、ビザ延長記録などが必要となります。申請費用は、語学学校ごとに異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
フィリピンの空港では、ECC未取得のまま出国を試みると搭乗を拒否されることもあり、大きなトラブルにつながりかねません。
長期フィリピン留学を計画している場合は、「ECCが必要」であることを確認した上で、安心して出国できるよう準備を進めましょう。
フィリピン留学とビザに関するFAQ
フィリピン留学では、入国時の条件や滞在中の活動制限など、事前に知っておきたいポイントがいくつもあります。
特に初めての渡航では見落としがちな疑問も多いため、ここではよくある質問とその答えをご紹介します。
入国時に他に必要なものはある?
フィリピン留学の準備を進め、残すところフィリピンへのフライトに搭乗するのみ、となった時点で「eTravelシステムへの事前登録」を行う必要があります。
これは、フィリピン政府が入国者情報を事前に把握し、入国審査をスムーズに進めるためのオンライン手続きで、すべての渡航者が対象となります。
登録は渡航の72時間前から可能、氏名や生年月日、パスポート情報、連絡先、滞在先住所、出国便情報などを入力し、完了するとQRコードが発行されます。
フィリピン入国時、このQRコードの提示を求められることがあるため、スマートフォンに保存し、念のためプリントしてパスポートにはさんでおくと安心です。
また、入国の際には復路または第三国への航空券、滞在予定日数に加え、パスポートに6か月以上の有効期間が残っている必要があります。長期フィリピン留学に参加をする予定で、パスポートの残存期間が1年を切っている場合は早めに更新手続きをしておくようにしましょう。
さらに、状況によっては語学学校の入学許可書の提示を求められる場合もあります。データが届いたら学校からの書面は印刷し、持ち込み手荷物に入れておくようにしてください。
その他にも、健康状態の申告やワクチン関連の情報が必要となることもあり、情勢によって入国条件が変動する可能性があるため、事前に最新情報を確認しておくことが欠かせません。
eTravelの登録漏れは手続きの遅延につながるため、フィリピン留学の準備段階で早めに手順を把握し、確実に登録を済ませておくことが、スムーズな入国の第一歩となります。
就労(アルバイト)は可能?
フィリピンの入国管理法では、観光ビザやSSP(特別就学許可)で滞在する外国人は就労活動を行えないと明確に定められており、たとえ短時間のアルバイトであっても違法行為に該当します。
フィリピンで外国人が働くには、企業がスポンサーとなる9G就労ビザの取得が必須であり、このビザは語学留学生や短期滞在者には発給されません。
また、報酬の有無にかかわらず、労働とみなされる活動はすべて禁止されているため、ボランティアやインターンシップのような軽微な活動でも注意が必要です。
違反が発覚した場合は、罰金、強制送還、今後の入国禁止などの厳しい処分が科される可能性があります。
フィリピン留学中にできる活動は学習に限定されていることを理解しておきましょう。
中学生以下でもビザを取得すれば単身で入国可能?
中学生以下(14歳以下)の子どもがフィリピンへ単身で入国し、語学留学を行うことは可能ですが、成人とは異なる追加手続きが必要です。
フィリピンでは、14歳以下の未成年が単独で入国する場合、通常のビザ要件に加えて「WEG(Waiver of Exclusion Ground)」と呼ばれる特別許可の取得が求められます。
WEGは、未成年者の安全な渡航と滞在を確保するための制度で、入国時に適切な保護者がいない場合に適用されます。
申請には、両親の同意書、出生証明書、同行しない親や保護者の身分証明書のコピー、学校側が発行する受け入れ書類などが必要で、申請はフィリピン大使館またはフィリピン空港で行われます。
夏休みや冬休みに、往路だけ両親が同行、先に帰国して未成年者だけを帰国させる場合、WEGの手続きをしていなければ搭乗拒否されることもあるので、基本的に14歳未満のお子様をフィリピンで単身留学させる場合にはこのWEGが必要tとなります。
フィリピン留学に必要なビザ情報まとめ
フィリピン留学を成功させるためには、授業料の安さや学習環境の良さだけではなく、ビザ制度を正しく理解したうえで準備を進めることが欠かせません。
フィリピンでは観光で入国できる期間が最大30日と限られており、語学学校に通う場合はSSP、大学で学ぶ場合は9Fビザ、長期滞在ならACR I-CardやECCなど、目的と期間に応じて必要な手続きが異なります。
これらの制度を理解せずに滞在を続けてしまうと、気づかないうちにオーバーステイとなり、追加費用や出国時のトラブルにつながることもあります。安心して学習に集中するためにも、まずは自分の留学期間と目的に適したビザの種類を把握し、必要な申請手続きを早めに準備することが大切です。
フィリピンの語学学校の多くはSSPやビザ延長の代行を行っているものの、疑問点や最新情報についてフィリピン政府公式サイトにて必ず確認しておきましょう。






